「コミュニティナース」という言葉を聞いたことありますか? 病院や訪問看護は「病気になった人」を対象とするのに対して、コミュニティナースは病気なのかどうかは関係なく、地域で生活する人を対象に活動するものです。日常的に住民と接することにより、普段から健康意識を高めるアプローチや、病気の早期発見、医療や福祉、行政機関への橋渡しなどを行います。
ここ君津市でコミュニティナース活動をしている現役看護師の岩舘さんの現場を視察してきました。
それなら「地域包括支援センターがあるじゃないか」と言う人もいます。地域包括のケアマネージャーに相談し、介護認定を受ければ様々な公的なサービスを受けられます。でもそれは介護が必要になったときのこと。今は元気な高齢者でも心配事はあるんです。
いざ自分が具合悪くなった時にどうやって病院にかかったらいいんだろうか? 今は具合悪くないけど心配事があるので誰かに話しを聞いてもらいたい。介護認定されることに抵抗感を持たれている方もいらっしゃいます。
健康を維持するために頻繁に病院通いしたくとも、君津市は首都圏じゃないので病院の数は少ないです。高齢化が進んでいるのでいつも混んでる。さらに移動のための公共交通機関がさびしいので、どうしても足が遠のいてしまいます。岩舘さんたちは、そのような地域の高齢者のために、その地域に出向いて健康相談にのる『まちの保健室』という活動を行っています。
岩舘さんたちの活動は医療行為ではありません。地域高齢者のウェルビーイングを保つお手伝いが目的。免許返納して車が運転できなくなった高齢者は家にこもって人と話す機会が少なくなる。そうすると生きる活力が弱くなり体まで悪くなってしまいがちですね。自らが地域に出向いて定期的に『まちの保健室』を開設し、地域の高齢者の健康と心の相談にのる。過疎地域ではもっとも必要とされていることではないでしょうか? 僕は応援したいですね。
現在は月に1回、君津地区の外箕輪青年館で『まちの保健室』を開設しています。現役看護師のボランティア活動です。場所を提供してくれればどこにでも出向いてくれるということですので、興味を持たれた方は相談されてみてはいかがでしょうか?
2024年1月27日 Link Community Care 代表の岩舘さんと
まちの保健室
https://kimicomm.com/lcc/
コミュニティナースとは:
日常的に街のなかや暮らしのなかに存在して、人々が楽しいと感じたり元気になったりすることを応援する、医療や看護の知識・技術をもった人。特定の資格や職業を表すものではなく、地域コミュニティにおける看護のあり方を指す概念であるのが特徴。
『人とつながり、まちを元気にする』コミュニティナースは、職業や資格ではなく実践のあり方であり、「コミュニティナーシング」という看護の実践からヒントを得たコンセプト。地域の人の暮らしの身近な存在として『毎日の嬉しいや楽しい』を一緒につくり、『心と身体の健康と安心』を実現する。その人ならではの専門性を活かしながら、地域の人や異なる専門性を持った人とともに中長期な視点で自由で多様なケアを実践する。
実践の中身や方法はそれぞれの形があり、100人100通りの多様な形で社会にひろがり始めている。
ウィキペディアより転載